2010年8月23日月曜日

法律の世界地図

世界史を法律の観点からまとめた本。

ローマ法までの第一章、
ヨーロッパの法律をまとめた第二章、
イスラムの法律の歴史がわかる第三章、
アメリカを含む現代の法律がわかる第四章、
法律雑学の第五章

で構成される。


1-2章は半分知ってて、半分しらないという感じで読みやすかった。
たとえばある主君がどんな法律を作ったかがわかると、
その人の思想までわかってなかなか面白い。
3章は、まったく知らなかったのでよかった。
イスラム法の成り立ち=ムハンマドから解説されているのでよい。
ファトワーという、学者の声明が大きな影響を持つらしい。

後は雑多な法律ネタで、雑学としておもしろかった。



何より重要なのは3章で、イスラム法の歴史から
現代の行動原理までがよくわかった。




決断力

将棋の永世名人 羽生善治の本。

基本的に、将棋に関するエッセイ集と思うとよい。
最後のほうに一般的っぽいことを言っているが、論理は適当だと思った。

でも、そんなことはどうでもよくて、
プロのなかでもトップの棋士はどんな生活・勝負をしているのかが
よくわかっておもしろかった。
それから、棋譜の研究が流行があるとか、ある戦法が一段落すると飽きるとか
学術研究ともにているところがあった。






ウツになりたいという病

カウンセラーの話。
実際にはウツ病の定義には入らないけれども、ウツと似た症状を訴える患者を「ウツもどき」と定義し、
なぜそういう症状が起こるのかを議論した本。
おもしろかった。

最近の日本でよくみかける、他人に対する完璧主義というか減点主義というか、
そういう思想が「ウツになりたい」病を生んでいるという。
たとえば、
「~すべきだ」が多いとか、一つミスがあると一斉にバッシングするとか。

そして、大きな原因の一つが「ポジティブシンキング」だという。
たぶんこれは本当のポジティブシンキングじゃなくて、
「ポジティブとみられようとするシンキング」というのが正しそう。
つまり、内面は落ち込んでいるけれども、外面では明るく振る舞うというやつ。
この内面と外面の差、認知的不協和がストレスの原因だという。

暗い顔してるとノリが悪いとか言われるけれども、
べつに暗い顔してもええやんかと思えない場合に、
合理的理由としてのウツになりたくなるらしい。

で、常に明るいわけがないんだから、
色見本を毎朝見て、今日はこんな色という色を
毎日選ぶというセルフカウンセリングが勧めれている。
これによって、
「自分の気分というものは常にうつろうものだ」
という事を自覚して、落ち込むときはちゃんと落ち込めるようにしようという。



周りに結構こういう人多いから、この本は薦めてみてもいいと思った。





勉強法が変わる本

心理学的にきちんとした理屈を元に、
効率的な学習方法を書いた本。

中学などの、勉強法が確立する前なら結構役に立ったかもしれない本。
ただし、「結局理解してから学ぼう」とか、「単語は全部を何度もやる」とか
既知のアドバイスが多かった。


それに、記憶のモデルを出すのはいいけど、
だからどうしたのかが議論されていなくて、
結局「心理学的な知見からうんぬん」は不発だった。


とはいえ
「テスト勉強だからと言って馬鹿にして、
高校で習うような知識の習得や問題の解決すらしなかった(できなかった)人が、
社会に出て急に優れた問題解決的な仕事をすることはめったにない」 (p.145)
は、正鵠を射ていると思う。




2010年8月22日日曜日

四畳半神話体系

おもしろかった。
いかにも京大の学生って感じで。
ただし、先にアニメを見たので、その印象が強かった。
そして声もその通りに再生された。

何より、アニメの方がおもしろい構成になってた。
以下ネタバレ













































個人的には、各章でエンドまで共有する終わり方よりも、
アニメのように、ずっと失敗して最後に成功する方がよかった。
なんというか、カタルシス感が会ったというか。
最終回はまさに うっひょーーー!! ってなった。